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北洋サケマス漁の現在

かつて日本の漁場であった千島水域は、良質なサケマスが獲れることから、北洋サケマス船団の一大漁場として賑わいを見せていました。日本の漁船が漁獲し、船上で即、選別、洗浄、塩蔵処理を施され冷凍保存されたベニザケは、「本チャン」と呼ばれ、工場へ運ばれ加工されるロシア産のサケとは、味のしまり、凝縮度が違い、シンプルな塩焼きにもっとも適した味に熟成されます。

しかし、第二次世界大戦後、日ソ漁業交渉のもと操業水域や漁獲量に制限が設けられ、日本の漁師たちは、規制に合わせて漁法を改良しながら定められた水域での漁を続けてきました。

母川回帰性の強い鮭・鱒は、母川に近づくにつれ食性が変化し身質が劣化していきます。
これまで当店は、日本・ロシアの母川から一番距離があり、成魚の回遊が多い[3a区]で日本の漁船が漁獲した「本チャン紅鮭」を中心に扱ってきました。しかし近年、ロシアの漁獲条件は年々厳しくなり、日本漁船の主力大型船は操業を見送り、ついに北洋海域での流し網漁は全面禁止され、「本チャン紅鮭」は消滅してしまいました。

当店では、現在、主にロシア船が漁獲した鮭を原料としながら、限りなく「本チャン紅鮭」に近い味を追求しています。もともと漁獲した海域も漁獲方法も同じもの。長年培った塩蔵の技で、「本チャン」と変わらぬ味をお届けします。

その他の原産地

オホーツク海

羅臼では、おおむね9月から11月が「秋鮭」の操業期間です。知床半島と国後島に挟まれた根室海峡で水揚げされ「知床ブランド」として人気があります。
根室では、主に白鮭と紅鮭が水揚げされます。白鮭は春と秋に漁があり「春鮭=トキシラズ」「秋鮭=アキアジ」と呼んでいます。

日本海

日本海の南部にはサクラマス、北部ではカラフトマスが多く分布しています。現在、小型流網や延縄により漁が行われており、漁期は3月中旬、佐渡沖で始まり、4、5月には山形・秋田沖に北上し、7月北海道の利尻島沖にいたって終了します。

アラスカ

アラスカでは、水産物の養殖は一切禁止されており、すべて天然物です。キングサーモン、ベニザケ、ギンザケ、シロサケ、カラフトマスが漁獲されています。カナダの氷河を源とするアラスカ最長の河川ユーコン川。遡上するシロサケは、3,700kmもの距離を移動するため、たっぷりと栄養を蓄えています。

チリ

南米チリでは、日本の企業を皮切りに各国の企業がサケ・マスの養殖事業に参入しており、ギンザケやニジマスの海面養殖が盛んです。チリで品種改良され海面養殖されたニジマスを「トラウト・サーモン」または「サーモン・トラウト」と呼んでいます。

北太平洋

北洋海域での流し網漁が全面禁止され、現在、日本系サケ、カラフトマス及びサクラマスは主に日本沿岸域で漁獲されています。太平洋側の日本の200海里水域内での小型流し網や定置網漁も、ロシアとの政府間交渉に基づき毎年の漁獲量が決定されています。

カムチャッカ半島

ロシアによる定置網漁が盛んに行われています。また、半島を流れる多くの河川でも、サクラマス、シロサケ、ベニザケ、ギンザケの漁が行われています。

「サケ」と「マス」の種類

「サケ」と「マス」の違い

「サケ」と「マス」という呼び名に生物学的な意味はなく、サケ科の魚を種によって「◯◯サケ」や「〇〇マス」と呼び分けています。
日本で昔から見られた母川に遡上するサケ科の魚は「シロサケ」と「サクラマス」だけでした。
一般的にこれを「サケ」「マス」と区別していましたが、北洋サケ・マス漁業が始まると、日本には生息しない種も漁獲されるようになり、漁師たちはそれらを「ベニマス」「ギンマス」などと名付けました。当時は、サケ(シロサケ)だけが別で、その他はすべて「〇〇マス」と呼ばれていたのです。しかし「マス」よりも「サケ」の方が高級感があることから、これらの種も「ベニザケ」「ギンザケ」の名で流通されるようになり、それが定着したというのが実情です。

食用として流通しているサケは7種類

サケ科の魚で、食用として流通しているのは主に7種類です。

※下記の画像をクリックすると詳細ページに移ります。

サケ(シロサケ)
ギンザケ
ベニザケ
サクラマス
カラフトマス
ニジマス
マスノスケ(キングサーモン)